早起きは三文の得と俺。

今日の俺の朝は空いていた。

両親は朝から仕事だし弟も一限目からだったので朝の垣内家は忙しかった。

午後から出勤の俺はコロの散歩に行ってやったんだ。

そしたらお向かいさんのオッサンの背中に出くわした。

俺はあいさつとか世間話とかが面倒くさかったからいつものルートを選ばなかった。


それが間違いだったんだ。

少し歩くと俺と同じく犬の散歩してるおばーちゃんにすれ違う。

おばーちゃんは自分家の犬をコロに絡ませようとけしかけくる。

うちのコロは刺激しないですれ違うだけなら大人しいやつなんだ。


コロとその犬が鳴き出した。

誰がどー見ても朝っぱらから近所迷惑。

俺はコロを無理矢理その犬から離そうとした。

うんこしちゃいました。

俺は朝っぱらから鳴きわめいてる犬2匹に寄ってきた子供とおばーちゃんに見つめられながらコロのうんこをビニール袋に入れた。


うんこ処理が終わってコロを連れてこーとするとおばーちゃんがストーキングしてくる。

俺はおばーちゃんにはちょっと険しい道を選んでおばーちゃんを引き離した。

やっとコロも落ち着きを取り戻したかと思いきやまた洋犬とすれ違う。

飼い主が話しかけてきた。

『よう。』


ん？


俺は犬の散歩をしてる時ノッポさん帽子を深めにかぶってるから周りの人なんて『そこに誰かが居る』ってぐらいしか認識してない。

俺が顔を見上げると前の職場のスリーエムの社員で近所の近藤が居た。


俺はここの職場をクビになっている。

向こうは何の気なしにきさくに話しかけてきた。

『仕事決まった？』

俺はコイツとあんまし話したくなかった。

近藤は妻子も洋犬もマイホームも車も原付も単車も持ってる29歳だからだ。
同じ職場の時はすげー尊敬してたけど今のコイツには気まずさしか持ってない。

納得できずにクビにさせられたし。

『あー、町田で一応・・・。』

『お〜、良かったじゃん。』

俺は見下げられてる気がした。

『じゃーまたな。』
『じゃ・・・。』

俺とコロだけになった時俺は自分が神にイタズラされてる事に気付いた。

俺は寝巻きのまま外に出てた。

しかも今日の寝巻きは・・・。



3MのTシャツだった。
近藤は100％気付いている。
家に帰って嫁に話せ。

俺をネタにして家庭を笑いの渦に巻き込むんだ。

頑張れ。
近藤・・・。



FUCK!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

続く